どうしようもなく孤独を感じてしまうのは、他の人の苦しみを感じることができていないからです。自分以外の人も苦しんでいるんだと感じることができれば、孤独感や挫折感から開放されます。

ストレスを紛らわすために、ギャンブルやアルコール依存症になってしまう人たちがいます。依存症は一度かかってしまうと、ひとりで抜け出すことはまず無理だといわれています。

こういった人たちを支えるために、いろいろな自助グループやNPOがあります。その一つにアルコホーリクス・アノニマス(Alcoholics Anonymous通称AA)があります。本部はアメリカですが、アルコール依存症で苦しんでいる人であれば誰でも受け入れるとしており、匿名性を徹底しているので、会員の詳しい数などはわかりません。入会、退会も自由です。

世界各国に支部があり、日本にも全国でも頻繁に依存症体験をもつ人たちが集まります。このミーティングの目的は、「自分のアルコール依存症の体験を話す」です。もうアルコールを断ち切っている人も、まだやめられない人もここでは平等に扱われます。克服した人と克服できない人に上下関係はありません。

ミーティングで話すときは本名をいう必要もありません。出席、欠席も本人の意思にまかされています。話す内容は人によって違います。『もう●カ月飲んでいません』という報告でもいいし、『また飲み始めてしまいました』といった告白をしても、べつにとがめられることもありません。本当に、今のありのままの状態を話すだけです。

この方法は麻薬などのほかの依存症の自助グループでも採用されています。自分の苦しんだ体験を共有すると、自分は一人ではないという安心感がうまれます。

ストレス体験の共有もこれと似たような方法できます。自分がストレスを感じた体験を人前で話すのです。こうすると、表面的にはわからない他人の苦しみがわかるようになります。このときに、ストレス体験の共有が目的の場合は、そのストレス体験から何を学んだか、どんな気付きを得たかを話すと、もっと効果があります。

自分の失敗の体験を話すと、不思議と共感が生まれます。大きなストレスを感じた場合は、一人ではとても耐え切れないこともあります。たいていの人は失敗を一人で抱え込んでしまい、『自分には才能や能力がない』と思い込み、それが続くと無気力になってしまいます。

しかし、『誰でも失敗することはある』という認識を共有できれば、人に手を差し伸べることをが出来るようになるし、逆に本当に困っているときは助けを求めてもいいと気付くことができるのです。

大きなストレスを感じる出来事は、仕事や夫婦関係だけでなく、犯罪など理不尽なものもあります。こうしたことはおきないに越したことはありません。こうした経験に感謝するというのも無理な話です。

逆境には良い面も悪い面もあります。その両方を認識した上で、『ここから学べることは難だろう?』と問いかけてみるのがよいのです。ただ、無理に前向きになる必要もありません。どうしてもつらかったら、まずはそのつらい気持ちをガマンせずに受け入れましょう。