ストレスは極力避けたほうがいいもの、ストレスを感じる環境にはなるべく身を置かないほうがいい。というのがストレスの常識でした。

しかし、ストレスのまったくない生活は寿命を縮めるという調査報告があるのをご存知ですか?え?逆じゃないの?と思うかもしれません。しかし、事実です。

ある調査では、アンケートに『非常に退屈している』と答えた40代の男性を20年にわたって追跡調査しました。すると、心臓発作で死亡するリスクが2倍以上になる、という結果が出たのです。過去には定年退職した男性は、平均寿命が寿命が以外と短いという報告もありました。

毎日忙しすぎて、ストレスがたまる一方だと思っている人にはちょっと意外かもしれません。しかし、ストレスを避けようとすると、さらに新たなストレスが生まれていくこともわかっているのです。どういうことでしょうか?

ストレスを感じるときというのは、その人の人生において重要な局面に直面していることが少なくありません。ある大学の心理学の教授はこのことを『エベレスト斜面で過ごす寒くて暗い夜』と表現しています。

独立して事業を始める、親になるなど、人生には困難なことがいろいろと待ち受けています。そのことは、私たちはは多かれ少なかれ認識しています。しかし、避けて通りたくても、その問題が消えてなくなってくれることはありません。寒くて暗い夜をじっと耐え忍ばなくてはいけないのです。しかし、そこに意義を見出せたら、耐えることは不可能ではなくなるはずです。

消防隊員や、山岳救助隊など人の命を救うことを仕事にしている人は、厳しい職場環境にも関わらず、仕事がつらいからといって退職する人はほとんどいないといいます。これはきっと、仕事に意義と誇りを見出しているからなのでしょう。

ギャラップという会社をご存知ですか?アメリカに本社を置く世論調査とコンサルティング業務を行う会社で、民間世論調査のさきがけであり、この会社のおこなう世論調査は『ギャラップ世論調査』といわれ、世界的に高い信頼を得ています。

この会社が121カ国、12万人以上の人に『昨日、大きなストレスを感じたか?』という質問をしました。その質問をもとに、各国のストレス度数を算出したのです。結果は、平均は33%、最上位はフィリピンの67%、アメリカは43%。最下位はモーリタニアの5%でした。

研究者が次に調査したのは、ストレス度数が幸福度やGDPや平均寿命にどれくらい関連しているか?ということでした。

結果は意外や意外、ストレス度数の高い国ほど平均寿命が長く、GDPが高かったのです。また、ストレス度数が高い国では、幸福度や人生の満足度も高かったのです。これは研究者たちの予想を大きく裏切る結果でした。

別の機関の調査では、『自分は生きがいのある人生を送っている』と思っている人は、大きなストレスを感じる経験を多く乗り越えていることがわかったのです。今現在、おおきなストレスを感じている人も同様でした。

ある目標を達成しようとすれば、ストレスは避けて通れない問題です。意義のある人生を送ろうとするなら、ストレスは避けられないとして、受け入れたほうがよさそうです。