ストレスが役に立つものだとはいっても、強いプレッシャーがかかると自分ではコントロールできない身体的反応が出てきます。心臓がドキドキする、口が渇く、汗が止まらないなどがあります。

大勢の前でプレゼンテーションをする場合、音楽や演劇の発表会で大勢の前で楽器の演奏や演技をしなくてはならない。これは誰でも経験する、ごく当たり前のストレス反応です。避けることはできません。しかし、このストレス反応を利用してプレッシャーを克服する方法があるのです。どうせ避けることができないなら、より有利なほうへ利用してしまいましょう。

ストレス反応には様々な種類があることが最近の研究でわかってきています。強いプレッシャーがかかったときに失敗することが多いのは、『闘争・逃走反応』がおきたときです。緊張しても、成功した、大きな失敗をしなかった場合は『チャレンジ反応』がおきていたと考えられます。

この二つは身体的反応は心臓の鼓動が早くなるなど、よく似ているのですが、ふたをあけてみると、かなりの違いがあります。『闘争・逃走反応』は、危害が及ぶことを予測しておこります。体の欠陥が収縮し、体は炎症をおこします。免疫細胞を活性化させ体の回復を早めようとします。

『チャレンジ反応』は、危害を予測していないので、体はリラックスしたままで、欠陥は収縮しておらず、血流量が大幅に増え、力を最大限に発揮できる準備を整えます。

ストレスが健康に悪いといわれる原因は、『闘争・逃走反応』にあります。短期的にみれば役に立つのですが、長期に渡れば心臓病や老化の原因にもなります。『チャレンジ反応』は病気になる原因は作りません。

プレッシャーのかかる状態で『闘争・逃走反応』がおこる人と『チャレンジ反応』がおこる人の違いはどこにあるのでしょうか?それは、『ストレスは役に立つ』という考え方ができるかどうかです。

これも海外の大学での実験です。実験の参加者を3つのグループにわけて即興のスピーチをさせられます。ただし、3つのグループのうち1つのグループには『ストレス反応が起こるのは、必要なエネルギーを終結するためであり、心臓がドキドキしていたら、心臓が体と脳に酸素を送り込もうとしてがんばっているからです』と、ストレス反応が役に立つことを説明します。
2つ目のグループには、ストレス反応を感じても無視するのがいちばんいいと説明します。(実験のためのウソです。役にたちません)

3つ目のグループにはテレビゲームをしてもらて、ストレスを発散するように支持しました。ストレス反応の説明はありません。

結果は1つ目のグループにははっきりと『チャレンジ反応』がおこっていました。2つ目と3つ目のグループは『闘争・逃走反応』が出ていました。スピーチの評価も、1つ目のグループの多くが高評価を受けました。

強いプレッシャーを与えられる立場になって、ストレス反応が出たら、このことを思い出しましょう。『うまくやるために体が助けてくれている』『体が準備を整えている』と思えたら、厳しい状況に対処する力が湧いてくるのではないでしょうか。